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生前対策から相続税申告

課税遺産額・相続税額算定の基礎

課税遺産額算定の基礎

画像:課税遺産額算定の基礎

課税遺産は相続財産から基礎控除等を控除して算定します。算定の結果課税遺産がゼロ以下となった場合は相続税が課されません。

多くの場合相続税非課税となるのは、基礎控除の額が5千万円+法定相続人数×1千万円と多額なためです。
この基礎控除額がが今回の改正では3千万円+法定相続人数×6百万円に縮小され、大幅な増税となりました。

相続税額算定の基礎

画像:相続税額算定の基礎

課税遺産総額がプラスの場合、続いて相続税総額の算定に入ります。

実際の遺産分配の割合にかかわらず、課税遺産総額と法定相続人数が決まっていれば相続税の総額は常に一定となります。

例えば法定相続人として配偶者と子がいる場合、配偶者の法定の相続割合は1/2、子はその残りを均等に除した分が法定の相続割合です。(子2人の場合は1/4ずつ)

課税遺産総額をこの法定相続割合で配分し、それぞれに税率を乗じて税額を算定し、その合計額が相続税の総額となります。この総額を各人の実際の相続割合で按分し、各人が負担すべき税額を算定します。

相続税・贈与税シミュレーション

 家族状況や所有財産、将来の贈与案を入力し相続税・贈与税の総額を試算できます。 

節税・納税財源の確保

相続税の節税および納税財源の確保

事前に対策をするとしないとで税額に大きな乖離が生じてくることが相続税を検討するにあたっての大きなポイントです。

事前にできることからひとつひとつ対策を実施しておくことが大切です。節税策としては以下のものが代表的ですが、私たちは個々の事情に応じ、豊富な知識と経験をもとに最も適切な対応策をご提案いたします。

1. 不動産に対する対策

写真:ビル

国税庁の公表値によれば、相続財産全体のうち土地家屋が占める割合は約58%にも達しています(平成21年)。不動産にどのような対策がなされているかによって相続税評価額に大きな差が出てきますし、さらに納税資金の問題とも密接に絡んできます。
不動産に対する代表的な対策としては、以下のものがあります。

  1. 小規模宅地の特例の活用
  2. 土地活用の検討

詳細は下記リンク先をご覧ください。

≫不動産への対策

2. 保険の活用

平成25年税制改正においては死亡保険金の非課税枠の縮小は見送られました。
死亡保険金は亡くなった人の財産ではありませんが、亡くなった人が保険料を支払っていた保険はみなし相続財産となり、相続税の課税対象となります。ただし、法定相続人数×500万円までは非課税枠となり、相続税の課税対象から外れます。平成25年税制改正では、この非課税枠の撤廃が検討されていたようですが、結果的には継続となりました。

財産を死亡保険金に移すことにより、納税資金の確保と非課税枠の取得が見込めます。相続発生前の対策として有効です。

詳細は下記リンク先をご覧ください。

≫保険の活用

3. オーナー株に対する対策

写真:会議室

企業のオーナーである場合、相続財産としてのオーナー株評価額と後継者へのスムースな事業承継とを両にらみで対策しておく必要があります。私たちは組織再編や種類株式等、会社法制や承継税制、評価通達等を駆使して対策にあたります。


詳細は下記リンク先をご覧ください。

≫経営者の自社株対策

4. 贈与の活用

贈与を活用してご子孫への資産の移転と相続財産の減少を図りましょう。暦年贈与や相続時精算課税、教育資金贈与等の制度を活用します。

詳細は下記リンク先をご覧ください。

≫生前贈与の活用

相続税の手引き

相続税はどのくらいかかるか

相続税の重さは、実際どのくらいのものでしょうか。

相続税の重さ

 相続税の実際の重みを知るには、2度の相続を考える必要があります。

 「夫の相続」で、妻が相続財産の2分の1を相続すると、妻の相続税は、「配偶者の税額軽減」の特例により、ゼロとなります。

 しかし、その後には、「妻の相続」があるので、親から子へという、世代交替されるまでの相続税は、2度の相続で払う相続税の総額となります。

 なお、平成27年1月1日以降の相続については基礎控除額が改正されました。このため、相続人と財産が同じケースであっても相続が発生する時期によって相続税額が異なることとなります。

 例えば、相続人が妻と子2人のケースで、夫の正味財産が10億円の場合、夫と妻が別個に平成27年1月1日以降に死亡したときには、2度の相続で払う相続税の総額は、3億3,020万円であり、10憶円の相続財産の約30%に相当します(平成26年12月31日までに2度の相続が発生した場合は、2度の相続で払う相続税の総額は、3億450万円であり、10億円の相続財産の約30%に相当することとなります。)。

相続税はどのような財産にかかるか

相続税がかかる財産の代表的なものとしては、土地、株式、預金などがありますが、次の財産にも相続税がかかるのでしょうか。

  1. 家族名義にしてある預金や株式
  2. 保険会社から受け取った死亡保険金
  3. 死亡日の1年前に贈与されたゴルフ会員権

 相続税は、相続・遺贈・死因贈与により取得した一切の財産を課税の対象としています。これを「本来の相続財産」といいます。さらに、相続税は、次の二つのケースの財産についても、相続財産に含めることとしています。その一つは、死亡保険金・死亡退職金など、「みなし相続財産」と呼ばれるものです。もう一つは、被相続人の死亡日から過去3年内の贈与財産です。

本来の相続財産

 本来の相続財産とは、被相続人が死亡した日に所有していた財産です。この場合の財産とは、金銭に見積ることのできる経済的価値のあるすべてのものをいい、有形・無形を問いません。

 したがって、土地や建物のほか、有価証券、現金預金、貸付金などの債権、さらに、特許権、著作権、営業権などの無体財産権も、本来の財産に含まれ、課税財産となります。

 また、次のような財産も相続財産に含まれます。

①被相続人が購入した土地・家屋などの不動産でまだ登記していないもの

②被相続人が購入した株式や社債で、まだ名義書換えをしていないもの

③被相続人の預貯金や株式で家族名義にしてあるものや無記名のもの

相続財産とみなされるもの

 みなし相続財産とは、被相続人が死亡した時には、被相続人の財産ではありませんが、生前において被相続人との契約その他の理由により、相続人その他の者に支払われる財産をいいます。

 例えば、契約で受取人が決められている死亡保険金は、保険会社から直接、遺族に支払われます。被相続人の財産を、相続により取得するのではなく、契約により取得するため、民法上の相続財産ではありません。

 また、会社の就業規則・退臓金規定等により、受取人が定まり会社から遺族に直接支払われる、死亡退職金も同じです。

 しかし、このような財産も、人の死亡、すなわち相続という事実にもとづき取得されるものであり、担税力という点では、本来の相続財産と異なるものではありませんので、課税の公平を図るため、相続・遺贈により取得したものとみなし、相続税を課することとされています。

贈与した財産も相続財産とされる

 相続や遺贈により財産を取得した者が、相続開始前3年以内に被相続人から贈与により取得した財産も、課税財産となります。生前に贈与した財産は、被相続人が死亡した時点では、被相続人の財産ではありません。

 しかし、死亡時の財産だけを相続税の課税財産とすると、生前贈与を利用して財産を減らし、相続税の累進税率を回避することができます。

 そこで、これを防止するために、死亡の直前に贈与により財産を移転しても、相続税を計算する場合には、相続財産に加えることとされています。この場合に、加算する贈与財産の価額は、贈与時の価額になります。

相続開始前3年以内の贈与財産加算と配偶者控除との関係

 婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産等の贈与があった場合には、贈与税の配偶者控除(最高2,000万円)が認められています。そこで、相続開始の年の前年以前に、被相続人からこの贈与を受けた者が、その取得した年分の贈与税につき配偶者控除の適用を受けている場合には、その控除後の課税価格を相続税の課税価格に加算することになります。

 また、相続開始の年に、この贈与を受け、相続税の申告期限が贈与税の申告期限より前にくる場合、贈与税の配偶者控除が未申告であっても、相続税の申告書に、配偶者控除の適用を受ける旨を記載し、必要書類を添付すれば、同様の取扱いが認められます。

相続時精算課税制度を選択した場合の贈与財産の加算

 平成15年1月1日以後に父母または祖父母から財産の贈与をうけた子または孫が、贈与税について「相続時精算課税制度」を選択した場合には、その財産を贈与した父母または祖父母が死亡した時の相続税の計算上、相続財産の価額に相続時精算課税制度を適用したすべての贈与財産の価額(贈与時の価額)を加算して相続税額を計算することとされています。

 (注〉平成25年度税制改正により平成27年1月1日以後の贈与から、贈与者の孫で20歳以上のものが受贈者の適用対象に加えられることになりました。

 なお、相続時精算課税制度の内容については、後掲をご参照ください。

相続財産とみなされるもの

 夫が死亡し、遺産を整理したところ、契約者および保険金受取人を息子、被保険者を妻である私とする生命保険契約書が出てきました。

 保険会社に問い合わせたところ、保険料の全額を夫が負担していました。

 まだ、保険事故が発生していないので、息子は保険金を受け取っていないわけですが、この場合にも税金がかかることになるのでしょうか。

 相続により取得した財産でなくても、実質的にこれと同じであると考えられる場合には、課税の公正を図るため、相続によって取得したものとみなして相続税がかかります。

 この財産を「みなし相続財産」といいます。代表的なみなし相続財産は、死亡保険金と死亡退職金です。

 契約で受取人が決められている死亡保険金は、保険会社から直接、遺族に支払われます。破相続人の財産を、相続により取得するのではなく、契約により取得するため、民法上の相続財産ではありません。

 また、会社の就業規則・退職金規定等により受取人が定まり、会社から遺族に直接支払われる死亡退職金も同様です。

 しかし、このような財産も、人の死亡、すなわち相続という事実に基づき取得されるものであり、その実態は、相続・遺贈によって取得したのと、少しも異ならないことから、相続税を課することとされています。

 また、みなし相続財産として、つい見落とされがちなものに、ご賀間の場合のような「生命保険契約に関する権利」があります。

保険の課税関係は、かなり複雑です。申告漏れとならないように十分な注意が必要です。

 (注)平成19年度税制改正において、相続または遺贈により取鴛したものとみなして相続税を課税する保険金の範闘に、園内の保険業法の免許等をうけていない外国の保険業者から支払われる生命保険金または損害保険金が追加されています。

みなし相続財産

 みなし相続財産には、次のようなものがあります。なお、①~⑤の財産を取得した者が相続人(相続を放棄した者は含みません。)であるときは、その財産を相続により取得したものとみなされ、その者が相続人以外の者であるときは、その財産を遺贈により取得したものとみなされます。また、⑥および⑦については、その財産を遺贈により取得したものとみなされます。

①死亡保険金

 被相続人の死亡によって取得した生命保険金、損害保険金、農協などの生命共済や傷害共済で、その保険料の全部または一部を被相続人が負担していたもの

②死亡退職金

 被相続人の死亡によって取得した退職手当金や功労金などの給与のうち、死亡後3年以内に支給額が確定したもの

 (注)死亡後3年以内に支給額が確定しなかったものについては、その支給額が確定したときに所得税(一時所得)が課税されます。

③生命保険契約に関する権利

 被相続人が保険料の全部または一部を負担し、被相続人以外の人が契約者となっている生命保険契約で、相続開始の時において、まだ保険事故が発生していないもの

④定期金に闘する権利

 被相続人が掛金または保険料の全部または一部を負担し、被相続人以外の人が契約者となっている定期金給付契約で、相続開始の時において、まだ定期金の支給事由が発生していないもの

⑤保証期間付定期金に関する権利

 被相続人が掛金や保険料を負担していた定期金給付契約にもとづき被相続人に定期金の支給がされていたもので、被相続人の死亡後遺族が受け取る一時金や定期金に関する権利

⑥特別縁故者への分与財産

 民法958条の3の規定によって、相続人不存在の場合、特別緑故者に分与された財産

⑦その他

 被相続人の遺言によって、㋑取得した信託受益権、㋺著しく低い価額で財産の譲渡をうけた場合の利益、㋩債務の免除、引受け、弁済をうけた場合の利益

死亡保険金の課税関係

 生命保険の課税関係は、保険契約者、保険料負担者、被保険者、保険金受取人により、それぞれ異なります。

 まず、死亡保険金を受け取ったケースをみてみます。被保険者であった夫が死亡し、妻が保険金をもらった場合の課税関係は、次の表のとおりです。

 生命保険金がみなし相続財産となり、相続税がかかるのは、被相続人が保険料を支払っている①のケースです。

ケース
被保険者
保険料負担者子供
保険金受取人
課税関係妻に相続税がかかる子供から妻への贈与となり
妻に贈与税がかかる
妻の一時所得となり
妻に所得税と住民税が
かかる

生命保険契約に関する権利の課税関係

 次に、夫が死亡したときに、保険契約に関する権利が発生する場合の課税関係をみてみます。後掲表のいずれのケースも、被保険者が妻であり、保険事故はまだ発生していませんので、保険金はおりませんが、①のケースでは、子供が保険契約者で、死亡した親が保険料を負担していたので、生命保険契約に関する権利を子供が親から相続により取得したものとみなされます。

 相続または遺贈による取得した生命保険契約に関する権利の価額は、取得の時における時価、すなわち「解約返戻金の額」により評価することとなります。

ケース
保険契約者子供
保険料負担者子供
被保険者
保険金受取人子供子供子供
課税関係保険契約に関する権利を
子供が相続によって取得
したものとみなされる
(みなし相続財産)
保険契約を相続した者が
保険契約に関する権利を
取得したことになる
(本来の相続財産)
保険契約者が保険料を
負担していないので、
課税関係は生じない

相続税がかからない財産とは

 最近は、墓地不足時代で、墓地の取得代金だけで何百万円。墓石をも含めれば1,000万円以上になる場合もあるとか。

 生前に墓地や仏壇を購入しておけば、相続税はかからないそうですが、相続した後でこれらの財産を取得した場合にも非課税とされるのでしょうか。

 また、相続税がかからない財産には、どのようなものがあるのでしょうか。


 墓地や霊園の見学会の広告をよくみかけます。墓地には、生前に取得する場合と、相続後に手当する場合とでは、相続税の負担に、かなり差が生じます。

 生前に取得した、墓地・墓石・神棚・神具・仏壇・位牌・仏像などは、相続税の課税対象外となります。

 しかし、相続後に、これらの財産を取得しても、相続税が安くなるなどの特例は、一切ありません。

 お墓の話など縁起でもない、という方は別にして、いずれ手当しなければならないものならば、生前での手当が、税金上は望まれます。

 ただし、広大な墓地や、黄金の仏像などを買ったりした場合は、非課税財産とは認められないこともありますから、ご注意ください。

相続税の非課税財産

 相続財産の性質等が、国民感情や社会政策的見地などから、課税の対象とするには適当でない、と考えられる財産については、はじめから、相続税の課税対象から除かれています。

(1)国民の感情面から非課税となるもの

 ①皇室経済法7条の規定によって皇位とともに皇嗣がうけた物

 ②墓所、霊廟および祭具ならびにこれらに準ずる物

 このうち「庭内神し」(屋敷内にある神の社や祠等といったご神体(不動尊、地蔵尊等)を祀り日常礼拝の用に供しているもの)について従来は、「庭内神し」そのものは非課税財産とされる一方、その敷地については課税財産として取り扱われてきました。

 しかし、平成24年7月にその取扱いが変更され、「庭内神し」の敷地への定着性等から判断して一体のものとして日常礼拝の対象とされているといってよい程度に密接不可分の関係にある相当の範囲の敷地については非課税財産として取り扱うこととされました。

 なお、この変更はすでに申告済みの相続財産についても適用されますので、該当する場合は、更正の請求を行う必要があります。

(2)公益性の立場から非課税となるもの

  宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者(一定の要件に該当する者に限ります。)が相続や遺贈によって取得した財産で、その公益事業の用に供されることが確実なもの

(3)社会政策的な見地から非課税となるもの

 ①心身障害者共済給付金の受給権

    条例により地方公共団体が実施する心身障害者共済制度にもとづき支給される給付金をうける権利

 ②生命保険金

  相続人の取得した生命保険金等のうち、「500万円x法定相続人数」の額まで

 ③死亡退職金

  相続人の取得した死亡退職金等のうち、「500万円×法定相続人数」の額まで

 ④弔慰金

  ㋑業務上の死亡――給料の3年分

  ㋺そのほかの死亡――給料の6か月分

 ⑤国等に寄附した則産等

  相続や遺贈(贈与者の死亡によって効力が生じる贈与は除きます。)によって取得した財産のうち、申告期限までに、国・地方公共団体・特定の公益法人・認定特定非営利活動法人(いわゆる認定NPO法人)に寄附した財産、または一定の特定公益信託の財産とするために支出した金銭

  (注)この非課税の特例は、その贈与により贈与者またはその親族その他これらの者と特別の関係がある者の相続税または贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められる場合は適用がありません。

遺言の作成

遺言による思いの承継と争続の回避

写真:デスク

遺言とは、遺言を行った人の最終的な思いを死後に実施させるために行われる意思表示のことをいいます。

被相続人がご家族のことをお考えになって遺言を作成されるとしても、法を逸脱した形式・内容であったとしたら、かえって後に問題を引き起こしかねません。正しい知識のもとに遺言書を作成することが必要です。

遺言を作成するメリット

 遺言を作成するメリットとしては以下のものが考えられます。 

相続について遺言者の思いを反映することができる

 相続が発生した場合、遺言がなければ法定相続にしたがって遺産の分割が行われますが、遺言は法定相続に優先させることができます。遺言者が特定の相続人に法定相続分を超えて遺産を相続させたいとの思いがある場合、その内容を遺言としておけばその意思を反映させることが可能となります。 

争続を防止できる

遺言を作成しておかなかったために親族・兄弟間で相続財産の分割をめぐり争いが生じるケースは少なくありません。生前は仲が良かった親族間でも、いざ相続が発生しお金のことになると親族間の円満よりも自分の権利を優先するといったことが起こり得ます。

遺言を作成しておけば、こうした親族間の争い・遺恨の発生を未然に防止できます。

遺産分割協議が不要となる

遺言により財産の相続先が明確であれば、遺産分割協議を経ることなく単独で名義変更手続を実施できます。遺産分割協議書の作成も不要です。

遺言書作成のポイント(自筆証書遺言の場合)

 遺言書の作成方法は(1)自筆証書遺言、(2)公正証書遺言、(3)秘密証書遺言、(4)特別方式の遺言と4つありますが、本人が直接遺言書を書く方法は(1)自筆証書遺言となります。ここでは自筆証書遺言について遺言書作成のポイントをご紹介いたします。


①全文自筆で書きます。
 パソコンでの作成 やレコーダーへ録音したもの、他人の代筆によるものは無効となります。

②紙の種類は自由です。
 ノートや便箋、紙の切れ端に書いたものでも有効となります。

③タイトルは「遺言書」とします。

④末尾に作成年月日を書き、署名・押印します。

  • 作成年月日は「平成○年○月」としたり、「平成○年○月吉日」としたりすると無効です。
  • 遺言書は1人1通なので、連名で署名をした場合は無効となります。
  • 押印は認印でも構いませんが、トラブル防止のため実印での押印をお勧めします。

⑤相続財産ははっきりと特定できるように書きます。
 不動産:登記簿謄本の通りに記載します。
 預貯金:銀行名、支店名、口座の種類、口座番号を記載します。
 株 式:銘柄、株数を記載します。

⑥⑤以外の財産についても分け方を明記します。
 財産の書きもれがあった場合には遺産分割協議が必要になりますので、以下のような一文(例)を記載します。

  • 遺言に記載以外の一切の財産は、それぞれの法定相続分に従って相続させる。
  • その他遺言者に属する一切の財産は、○○に相続させる。

⑦遺言執行者の指定をすることができます。
 遺言執行者とは遺言書の内容を執行する人のことで、財産管理や各種手続きを行う権利を持ちます。遺言者執行者を指定することで手続きがスムーズになります。

⑧訂正箇所があった場合は書き直します。
 訂正は決められた方法により行う必要があります。訂正方法が間違っていれば、遺言書が無効となることもありますので、訂正箇所があった場合には書き直しをお勧め致します。

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